「想いを込めた外観にしました」
幼い頃、外科医院を開業したての両親は働きづめで、日常的に遊びに出たり相手をしてもらうことは無く、入院患者さんの三食を作る母の傍らで、厨房の片隅で本を読んだり人形遊びをして育ちました。
そのような幼児時代に、予防注射や結膜炎で小児科や眼科に受診する時だけ母に手を引かれ外出する事ができ、病院通いは大好きな母を独占できる楽しみな時間でした。
診察後に先生がボールペンで手のひらに動物の絵を書いてくれるのも嬉しかった、素朴な時代でした。
鎌倉の古い医院は洋館造りの趣ある建物が多く、大人になって近くをそぞろ歩くと、無条件に親に守られていた子ども時代の幸せな記憶として蘇り、故郷のありがたさを感じたものです。
御成町の「洋館作りの医院」は市の景観重要建物として保存されています。他にもいくつか印象的な洋館の医院がありましたが、時代と共に消えて行きました。
当院のチューダー調の外観は地元でお世話になった先生方へのオマージュであり、感謝の気持ちを込めました。
そして、当院に通う子どもの患者さんが将来大人になって近く通りかかった時に、エールを送る存在でありたいと願っています。
開院当初、垂直にそびえる壁の高さが、医院経営の重圧と同化し、震える思いでした。
時を経て、徐々に地元に認知され、他地区との医療連携も視野に入れ進む時代になりました。
期待に応える眼科医院として育ちたく精進しますので、宜しくお願い致します。
院長蔵並 貴子